岡本綾子さんの真意はどこにあるのだろう?
2019年 11月 20日
昨日は、不適切発言をめぐって、笠りつ子さんの会見が行われました。
一問一答については、記事に委ねますが、一部を転載します。
一方的な物言いによって「相手方に迷惑がかかる」可能性を考慮した笠サイドの意向もあり、言葉を選びながらではあったが、『頭が固い、死ね』という発言について涙を交えながら反省の弁を述べた。
ー問題が表面化してからの心境は?
「1日でも早く皆様の前で謝罪をしたかったのですが、コンプライアンス(委員会)の聴取を受けている最中で、LPGAに迷惑をかけてしまっている以上、処分が下るまでは私の口からは控えさせていただきました。その間、しっかり見つめ直す時間と、今後どうしていくか、どうしたらいいんだろうと考えながら過ごしていました。
たくさんの方にお声をいただき、厳しい意見もいただきましたし、その中でも背中を押して前向きに言ってくださる方たちのおかげで、今日こうして(謝罪の場に)来ることができました」
笠さん、現在の偽らざるところを語ってくれたと思います。
ー今後については?
「正直、もうゴルフをやめようと思ってしまったことは事実です。でも、今回LPGAの皆様や、主催者の皆様に迷惑をかけてしまった中で、朝から晩まで私の周りの方が動いてくれていることを見ていると、私がそう簡単にゴルフをやめるとか、逃げてしまうことはダメだなと思った。
実際ゴルフに対する気力がなくなってしまったので、まず今シーズンは自粛させていただく。そして、しっかりお詫びをして、私なりにできることをやっていきたいと思いますし、その中で厳しい意見もたくさんあると思います。でも背中を押してくださる方がいる限り、今後は自分のためにゴルフをするのではなくて、応援してくださる方の思いを胸に、いつまで現役を続けられるかできるかは分かりませんが今後やれるまでやっていきたいと思っています」
今はゴルフに向き合えない、練習をすることもできない、ですから試合にも出ない。
というか、出られる状態ではないということですね。
それで、事の発端となった、岡本さんへのコメントもあります。
ー報道の発端でもあり、大先輩でもある岡本綾子さんに思うことはありますか?
「今回、岡本さんのおかげで自分を見つめ直す時間もできましたし、すごく感謝しています。本当はこの会場でお会いして、お伝えしたかったのですが、いらっしゃらなかったので、いつか、お会いできたときに自分の口で言いたいです」
個人的に少し考えさせられたのが、この事の発端の部分です。
今回の件は、岡本さんがスポーツ紙に書いたことに端を発します。
逆に言えば、良くも悪くも書かれなければ、表立つことはなかったのです。
記事の中で岡本さんは、こう書いています。
コースの副支配人に「頭が固い。死ね」と捨てぜりふを吐いたというのですから、これは大問題ですよ。
これを見たときに、まず私はこう思いました。
これだと、その選手捜しがすぐに始まるだろうな。
そして、すぐにマスコミはこういった話に食いつくだろうな。
すると、LPGAの処分云々以前に、この選手はしばらく試合に出られないだろうな。
事実、ほどなく、笠りつ子さんであることが発覚し、出場自粛になりました。
そのあたりまでは、岡本さんも推測できた上での記事だと思います。
では、選手が試合に出場できなくなることをわかった上で、何を望んだのかという点。
岡本さんが書かれた記事の最後に、このような一節があります。
今大会前にあった不適切発言問題の件ですが、今週に開かれる協会理事会ですべての答えを出してくれると、私は期待しています。非は非として認めないといけない。「プレーヤーファースト」という言葉の本来の意味を、LPGAはいま一度考えるべきではないでしょうか。
この記事を引用した際に、私は、岡本さんの言う、プレイヤーファーストって、どのような意味で言ったのだろうか?とも書きました。
今回、LPGAの処分も発表され、笠選手の会見もあった。
ですが、岡本さんの言うところの、「プレイヤーファーストとは何なのか、LPGAはいま一度考えるべき」とは何なのかと疑問が残ります。
プレイヤーファーストって、使う人によって意味が全く違うので。
決して、笠さんをツアーから締め出そうというのが、岡本さんの目的ではないと思います。
それでも、結果として、今季は出場ができない状況になった。
また、LPGAも奔走し、バタバタとなったのです。
LPGAの対応についても、万全ではないし、非があったとは思います。
岡本さんは希望があったはずなので、どんな対応を望んでいたのだろう。
つまり、非の部分には、何でもマスコミは食いつくってのが、最近の流行なのです。
・・・この誰かを叩いて満足するってのが、世の中の風潮になっているのが恐ろしいですけど。
現在は小林会長がトップなのですが、私が記憶するに、樋口さんが会長を辞するときに、
次期会長で岡本さんを推す声も多数あったと思います。
そんな中、岡本さんが固辞して、岡本会長は実現しなかったと記憶しています。
・・・完全に私の記憶なので、違っていたら申し訳ない。
つまり、何が言いたいのかと言えば、岡本さんもツアーの発展を願っているはず。
そして、敢えて中には入らず、「外の人」の道を選んだ。
それはそれで良いと思いますが、岡本さんの発言は今でもゴルフ界で重いと思うのです。
・・・日本人で最高レベルの選手であったし、殿堂入りもしている方です。
結果としてある、この現状を、岡本さん自身がどう思っているのか聞きたいところです。
LPGAも、小林会長が未来永劫続けるなんてことはありません。
しかるに、女子ツアー発展のために、道筋ができると良いと私は思っています。
例えば、次か、その次くらいに、宮里藍会長が誕生するかもしれない。
そういったときに、外の人も協力する女子ツアーであってほしいと思います。
笠選手については、ご本人の言う通り、来季から復帰し、プレーしてほしいと思います。
私も、ある男子レギュラーツアーの試合に数年間携わったことがあります。
下っ端の関係者みたいなものでしたけど。
いろいろな「ご意見ご要望」に振り回されました。
クラブハウスの中であること、いろいろな関係者がいましたけど、
裏とまでは言わないまでも、内側が見えました。
ゴルフに対する想い、考え方、意見、利害関係など、人それぞれだったと思います。
それこそ、具体的には書けないですけど。